新着情報 / 活動報告
2020.10.31
いじめ予測にAI導入
10月31日
いじめ予測にAI導入
この2月議会で議論されたAIによるいじめ予測。
多様化する教育課題に、もはや教員の経験と勘だけでは解決がむずかしい状況にあることは認識しつつも、人権意識や人間関係の弱さから生じるこうしたトラブルへの対処法として、AIを活用することは一定評価できるとしても、万能ではなく、最終的に人が確認しながらの作業と、ならざるを得ません。
個人的には多くの疑問を感じています。また、担当する教員の負担も膨大になっていると思いますね。
子どもの世界のトラブルはコミュニケーション力が未発達であるが故に生じる内容が多く、
①いやな思いをした当人には、自分のくやしさや憤りをことばにして、語らせるために聞くこと。
②どう解決したいのか、本人の意向を尊重し確認しながら、適切な助言を与えること。
③いやな思いをさせた当人には、相手がいやな思いをしていることを伝え、事実を確認した上で、解決するための相手の意向を伝え、そのことについての思いを聞きながら、適切な助言を与えること。
④必要に応じて双方が話ができる場を設定して、教員立ち会いの下で話し合いをさせ、なぜこのようなトラブルが起こったのか、どうすれば良かったのかなど、話し合いにより双方納得のいく解決をはかること。
多くは、こうした手法で組まれていると思います。
言うまでもないことですが、暴力や繰り返される人権侵害の事案については、保護者や関係機関とも相談のうえ、学校として厳しい姿勢で早期に対処する必要はあります。
さて、
2月議会での討論内容の一部を掲載しておきます。
いじめ事案のAIによる分析と予測に係る経費について、数点、疑問点と大切にしたい視点について、申し述べておきたいと思う。
まず、今年度、平成25年度から30年度にかけての小中学校55校、約9000事案のデータから、AIによりクロス集計を行うなどして、実証実験結果をもとに、学校のいじめ問題への対応についての課題を明らかにされてきた。データ分析については言うまでもなく、AIはその力を遺憾なく発揮するものと認識している。
このデータ分析の結果を学校現場の教員に周知し研修を深め、いじめ問題が深刻化させないよう、具体的手立てをケースごとに学び合うことが重要で、そうした研修を通して、教師の力量が高まっていくものと考える。若い教員が増えていくからこそ、こうした取り組みが学校現場では不可欠であり、教師が育っていくものと認識している。安易にAIに頼ることにより、答えを求める教師をつくってはならない。このようなことから、安易にAIに頼ることについて疑問に思うところである。
また、AIはプログラムをどのように組むかによって、返ってくる答えも異なるものであり、人間の行動は、常に感情によって左右され、異なることを考えると、単に事象が酷似しているからと行って、その対応を一律に同じことをすれば良いというものでなく、子どもの関係、家族の関係、教師と子どもとの関係などによって、千差万別の状況を読み解き、適切に対応を図っていくものである。要するにいじめ事案をどう見立てるかが大切であり、正しく見立てることで、いじめの深刻化を防ぐことになると考える。このようなことから、現時点でそこまでのプログラムができるのかどうか疑問であり、安易にAIに頼ることについては疑問に思うところである。
このことから、いじめ問題について大切にしていただきたいことを述べておきたい。
① 児童会や生徒会、学級会活動などをとおして、好ましい集団作りに努めることこそが、いじめ防止に効果を発するものであること
② いじめ問題を放置せず、真正面から解決に向けた取り組みを、チームで行うことを通して教師はあるべき方向に成長し、子どもの集団を生かすことで、子どもたちが成長するものであること。
③ 学校現場を否定的のみに捉えず、教育委員会の助言と指導で、現場の教員が解決していくように、適正的確に導いていくことが教育委員会として大きな役割であり、そのことをとおして、学校現場の教員が育ち、学校組織も強くなるものであること。
④ いじめ解決のためにAIを活用するということをもって、教育委員会としてICTに取り組んでいるというものでなく、学校現場に本来求められるICTを整備していくよう教育委員会として努める必要があること。
⑤ いじめを人権問題であるという視点に立って、人権教育を推進していくことが重要であること。
⑥ 子どもや学校を取り巻く大人社会にもいじめ問題があり、大人自身が自ら学ぶことも大切である。そうした学びの環境を整え社会教育を推進することが重要であること。
いじめ予測にAI導入
この2月議会で議論されたAIによるいじめ予測。
多様化する教育課題に、もはや教員の経験と勘だけでは解決がむずかしい状況にあることは認識しつつも、人権意識や人間関係の弱さから生じるこうしたトラブルへの対処法として、AIを活用することは一定評価できるとしても、万能ではなく、最終的に人が確認しながらの作業と、ならざるを得ません。
個人的には多くの疑問を感じています。また、担当する教員の負担も膨大になっていると思いますね。
子どもの世界のトラブルはコミュニケーション力が未発達であるが故に生じる内容が多く、
①いやな思いをした当人には、自分のくやしさや憤りをことばにして、語らせるために聞くこと。
②どう解決したいのか、本人の意向を尊重し確認しながら、適切な助言を与えること。
③いやな思いをさせた当人には、相手がいやな思いをしていることを伝え、事実を確認した上で、解決するための相手の意向を伝え、そのことについての思いを聞きながら、適切な助言を与えること。
④必要に応じて双方が話ができる場を設定して、教員立ち会いの下で話し合いをさせ、なぜこのようなトラブルが起こったのか、どうすれば良かったのかなど、話し合いにより双方納得のいく解決をはかること。
多くは、こうした手法で組まれていると思います。
言うまでもないことですが、暴力や繰り返される人権侵害の事案については、保護者や関係機関とも相談のうえ、学校として厳しい姿勢で早期に対処する必要はあります。
さて、
2月議会での討論内容の一部を掲載しておきます。
いじめ事案のAIによる分析と予測に係る経費について、数点、疑問点と大切にしたい視点について、申し述べておきたいと思う。
まず、今年度、平成25年度から30年度にかけての小中学校55校、約9000事案のデータから、AIによりクロス集計を行うなどして、実証実験結果をもとに、学校のいじめ問題への対応についての課題を明らかにされてきた。データ分析については言うまでもなく、AIはその力を遺憾なく発揮するものと認識している。
このデータ分析の結果を学校現場の教員に周知し研修を深め、いじめ問題が深刻化させないよう、具体的手立てをケースごとに学び合うことが重要で、そうした研修を通して、教師の力量が高まっていくものと考える。若い教員が増えていくからこそ、こうした取り組みが学校現場では不可欠であり、教師が育っていくものと認識している。安易にAIに頼ることにより、答えを求める教師をつくってはならない。このようなことから、安易にAIに頼ることについて疑問に思うところである。
また、AIはプログラムをどのように組むかによって、返ってくる答えも異なるものであり、人間の行動は、常に感情によって左右され、異なることを考えると、単に事象が酷似しているからと行って、その対応を一律に同じことをすれば良いというものでなく、子どもの関係、家族の関係、教師と子どもとの関係などによって、千差万別の状況を読み解き、適切に対応を図っていくものである。要するにいじめ事案をどう見立てるかが大切であり、正しく見立てることで、いじめの深刻化を防ぐことになると考える。このようなことから、現時点でそこまでのプログラムができるのかどうか疑問であり、安易にAIに頼ることについては疑問に思うところである。
このことから、いじめ問題について大切にしていただきたいことを述べておきたい。
① 児童会や生徒会、学級会活動などをとおして、好ましい集団作りに努めることこそが、いじめ防止に効果を発するものであること
② いじめ問題を放置せず、真正面から解決に向けた取り組みを、チームで行うことを通して教師はあるべき方向に成長し、子どもの集団を生かすことで、子どもたちが成長するものであること。
③ 学校現場を否定的のみに捉えず、教育委員会の助言と指導で、現場の教員が解決していくように、適正的確に導いていくことが教育委員会として大きな役割であり、そのことをとおして、学校現場の教員が育ち、学校組織も強くなるものであること。
④ いじめ解決のためにAIを活用するということをもって、教育委員会としてICTに取り組んでいるというものでなく、学校現場に本来求められるICTを整備していくよう教育委員会として努める必要があること。
⑤ いじめを人権問題であるという視点に立って、人権教育を推進していくことが重要であること。
⑥ 子どもや学校を取り巻く大人社会にもいじめ問題があり、大人自身が自ら学ぶことも大切である。そうした学びの環境を整え社会教育を推進することが重要であること。
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